突然ですが、皆さんは請求書を患者さんに郵送する際に
通常通りの郵便物として郵送してしまってもいいのだろうか
送付に際して気を付けるポイントはないのだろうか
などと、疑問に持たれたことはありませんでしょうか?
請求書は、個人情報を含む重要書類の一つに含まれるため、一般的な方法で郵送すると、患者さんに対して失礼に当たるため注意が必要です。
本記事では、病院から患者さん宛に郵送する際の郵送方法と注意点について紹介していきます。
請求書送付の方法と注意点
請求書を送付する際には、「送付状の同封」と「書留郵送」の2点に注意しましょう。
送付状とは、その書類の送付者や宛先、枚数といった概要に、時候の挨拶などを加えた書類のことで、内容物の総数の不一致などを防止する目的に同封することが一般的です。
また請求状送付の場合には、金銭的要求をする書類であることと個人情報が記載されていることより、親展として郵送することが多いです。
その際に、他人の手に渡ってしまったり、第3者の開封されてしまったりするリスクを回避するためには、書留郵便を利用するとよいです。
書留には一般書留と簡易書留等があり、数種類から好きな方法を選ぶことができますが、一般書留と簡易書留の際は、賠償額と追跡機能のみなので、請求書送付時は簡易書留で済むことがほとんど。
書留料金の比較 | |
現金書留 | 基本料金+435円 (損害要償額1万円まで)さらに5,000円ごとに+10円(上限50万円) |
一般書留 | 基本料金+435円 (損害要償額10万円まで)さらに5万円ごとに+21円(上限500万円) |
簡易書留 | 基本料金+320円 (損害要償額5万円まで) |
また、請求書はいつまでに相手に渡さなくてはいけないという明確な決まりはありませんが、時間が経ってから請求される方が、相手にとって心理的な負担が大きいこともあるでしょう。
なるべく早く、請求書を送付し相手に告知するようにしましょう。
請求書送付後の対応
請求書送付後の対応は患者さんの対応によって変わってきます。
〇支払い期限までに支払い:領収書を送付
患者さんは医療費控除等、医療費の支払いを証明する書類が必要になることが多くあります。
病院が領収書を発行しないと、適切な処理を行えない可能性も出てくるため、領収書の作成・送付は支払い確認後すぐに行いましょう。
〇期限到来後も未払い状態:督促状を送付
残念ながら、請求書は発行から2年間で時効となってしまうため、それ以降は請求しても相手が時効を訴えると負けてしまいます。
その為、期日を超過した場合には、督促状を送付し、きちんと支払っていただけるよう促しましょう。
上記のどちらのパターンにおいても、患者さんに再度書類を郵送することになりますが、領収書・督促状共に、大切な個人情報となるため、厳重な取り扱いが必要です。
確実に患者さんの手元に届くよう、一般郵便ではなく書留を利用しましょう。
請求書の送付に適した封筒とは?
請求書送付に最も適した封筒は以下の3つです。
名称 | 読み方 | サイズ(㎜) | 規格 | 主な用途 |
長形3号(長3) | ながさん | 120×235 | 定形 | A4横3つ折り |
長形6号(長6) | ながろく | 110×220 | 定形 | A4横3つ折り |
角形2号(角2) | かくに | 240×332 | 定形外 | A4がそのまま入る(大きめ) |
特に請求書を送付する際には、病院のロゴが印字されているものであれば受け取った患者さんも、正式な書類ということを認識しやすいです。
その中でサイズや色、その他の観点から、請求書送付に相応しい封筒を紹介していきます。
封筒印刷製作所では病院のロゴ印字はもちろんのこと、サイズや色、各種オプションの指定についても相談ができます。
請求書等の重要書類送付用として一つ、オリジナル封筒を作成してみてもいいかもしれませんね。
①サイズ
前述の通り、請求書を送付する際に最適な封筒のサイズは「長形3号」か「長形6号」「角形2号」をの3つになります。
長形3号と長形6号の場合は、A4用紙を三つ折りにする必要があるため、丁寧に折ってから封入してください。
角形2号の場合はA4用紙をそのまま封入しますが、クリアファイルに挟むなど折れないような工夫をすることを忘れないようにしましょう。
この2つのサイズであれば、封筒に印字するロゴの縦横はどちらでも構いません。
②色
基本的に請求書ということであれば、茶色か白、薄い青のような淡い色を使用するとよいでしょう。
これはあまり目立たず、後述する「請求書在中」の赤字が認識しやすい封筒が好まれるためです。
③リスク回避・業務効率化
個人情報漏洩のリスクや、請求書郵送にかかる経費を抑えるため、以下のようなオプション機能の搭載された封筒を使用していきましょう。
(1)窓付封筒
窓付封筒とは、封筒の一部が透明な窓になっており、中身が見えるように加工された封筒のことです。
送付状に宛名を印字しておき、その部分を露出させるようにすると、封筒に宛先を記入する必要がなくなり、宛先の記入ミスを減らせます。
(2)裏地付封筒
裏地付封筒とは、封筒の裏地に柄が入っており、中身が透けて見えないように加工された封筒のことです。
長形3号の場合は用紙を折っているため透ける可能性は低いですが、 角形2号の場合は請求書をそのまま封入するため、光に透かすと中身が見えてしまう危険性があります。
長形3号の際は場合によって検討が必要ですが、角形2号の封筒を使用する際には必須のオプションと言えるでしょう。
(3)糊付封筒
糊付け封筒とは、封筒のフタ部分にあらかじめテープや乾燥糊が付いている封筒のことです。
毎回封筒に糊付けをする手間を減らすことができるだけでなく、仕上がりの品質を高めることが出来るのです。
以上のようなサイズや色、オプションを組み合わせれば、最低限のマナーは守りつつも状況に応じた対応ができるようになります。
選択肢を理解した上でオリジナル封筒の作成に当たるようにしましょう。
封筒表面の書き方と送付状例
請求書を封入する封筒と送付状の書き方を紹介していきます
①封筒の書き方
封筒の表書きには「宛先」と「添え字」を記入していきます。
窓付封筒の場合、宛先の記載は不要ですが、普通の封筒の場合は長形・角形共に、宛先は縦書きで記載していきましょう。
添え字とは、「○○在中」や「親展」などの宛先の他に記載する文字のことを指します。
縦書きであれば封筒の左下に、横書きであれば右下に、「請求書在中」という文言の添え字を赤字で書けば完成です。
また、封筒の裏書きには「差出人」「差出日」「封字」を記入するのを忘れないようにしましょう。
②送付状書き方
請求書に同封する送付状は一般的な送付状と変わりません。
ただ、病院から患者へという特殊な状況であるが故に、送付状の挨拶の文言をどうすべきか悩むこともあるのではないでしょうか。
ここでは送付状の記入例を紹介します。
<例> 書き出し ーーーーー
ーーーーー 結び ーーーーー
ーーーーー
「師走」や「寒い季節」という文言は季節の挨拶に該当するため、送付時の季節や気候に合わせて自由に変更が可能です。
一度テンプレートを作成し、変更可能箇所だけ編集できるようにしておくと、一から作成する手間が省けるためオススメです。
まとめ
病院に従事している方はビジネスマナーを意識する機会が少ないかもしれませんが、相手への気遣いの一環として、正しい方法で請求書を送付することが、請求する側の義務とも考えられます。
一度覚えてしまえば簡単なコトばかりですので、是非マスターしてください。