取引先に対し、請求書や契約書など重要書類を郵便で送るシーンは多いものです。
このようなシーンでは、必ず封筒に「〇〇在中」と記しておきましょう。
今回は、在中封筒に関するビジネスマナーについて、どんな書類を送る時に書くべきか、どんなところに注意して書くべきかなど、幅広く解説します。
封筒に「〇〇在中」と書く意味
まずは、封筒に「〇〇在中」と書く意味について確認していきましょう。
先方が重要書類のある郵便物だと分かる
封筒を開けて確認しなくてもどんな書類が入っているかがわかるため、受取人である先方に対して「重要書類である」というイメージを与えやすくなります。
毎日大量の郵便物が届く大企業であっても郵便振り分けがしやすく、ダイレクトメールなどに紛れてしまわないというメリットもあります。
先方が紛失・破損しにくい
重要書類であると分かっていれば、うっかり捨ててしまったり汚してしまったりするリスクを減らすことができます。
紛失・破損に対するリスクマネジメントとしても、「〇〇在中」と記しておいた方がよいでしょう。
郵便事故を防ぐ
重要書類が入っていると分かって助かるのは、取引先だけではなく郵便配達員にとっても同様です。
ポストからはみ出さないように入れる、雨濡れに注意して配達するなど、細やかな配慮を受けられる可能性が高まります。
ビジネスマナーの一環である
上記を理由として、もはや「〇〇在中」と記しておくことはビジネスマナーの一環になりつつあります。
重要書類をそのまま封筒に入れるだけで送ってしまった場合、「何が入っているのか分からない」「リスクマネジメントができない会社である」と思われてしまう可能性がありますので、必須のマナーとして認識しておくのがよいでしょう。
「在中」と記載するべき書類
ここでは、「在中」と記載するべき書類について、いくつか具体例を挙げていきます。
契約書
契約書は特に社外秘情報が含まれることが多く、紛失や破損のリスクを避けたいものです。
実印を用いるような重要度の高い契約書であれば、特に注意しておきましょう。
請求書
請求書の確認が取れてから支払いの手続きをする企業が多いため、万が一先方の経理担当者が請求書を確認できなかった場合、支払いが滞ってしまいます。
自社のためにも、忘れずに「請求書在中」と記載しましょう。
見積書
相談中案件の仕様や予算についての詳細が記されていることが多い見積書も、重要な書類です。
先方に早めの確認を促すためにも、「見積書在中」と記載しておきましょう。
領収書
お金を受け取ったことを証明する領収書は、再発行をしていない企業も多いため特に紛失したくない書類の1つです。
支払ってくれたことに対するお礼の気持ちを含め、丁寧に送付しましょう。
納品書
間違いなく商品を納品したことを表すため、「納品書在中」の文字は欠かせません。
商品提供後のトラブルを防ぐためにも有効です。
応募書類、履歴書
面接に応募してくれた人に対して履歴書等を返送する場合、「応募書類在中」「履歴書在中」等と記します。
個人情報が詰まった書類であるため、紛失に気を付けて発送します。
発送方法を慎重に考える
郵便を差し出す際の、発送方法についていくつか紹介致します。
普通郵便
普通郵便は、追跡や記録のない一般的な郵便方法です。
料金が安いというメリットはありますが、紛失や破損に備えた補償は一切ありませんので、重要書類であれば他の手段を検討した方がよいでしょう。
レターパック
日本郵便が指定した専用の封筒に入れて差し出すことで、発送から到着までの記録を行ってくれます。
レターパックプラスは相手に直接手渡しした上でサインを求める方式で、レターパックライトは通常通りポストに投函される方式です。
書類の重要度や先方都合に合わせて選択しましょう。
簡易書留
発送から到着までの記録を行った上で、万が一の事故時には5万円までの実損額が賠償されます。
直接先方に手渡ししてくれるため、契約書など特に重要性の高い書類については簡易書留にした方がよいでしょう。
特定記録
発送から到着までの記録を行い、ポストに投函される郵便方法です。
確実に発送していること、確実に到着していることを証明したいシーンで非常に便利です。
宅配便
ゆうパックに限らず、ヤマト運輸の宅急便、佐川急便の飛脚宅急便など、「宅配便」にカテゴライズされる方法での発送は違法です。
上記で紹介した納品書や請求書類の全てや、免許証、証明書、招待状などの「信書」は宅配便で送ることができませんので、注意しておきましょう。
「在中」を書く際のマナー
宛名の近くに記入する
封筒表面の、先方担当者の近くに記載します。
縦書き封筒であれば名前の左下に、横書き封筒であれば名前の右下に記入しましょう。
レターパックを使用する場合は、専用封筒の「品名」と書かれている欄に記すのが一般的です。
四角い枠で囲む
「〇〇在中」の文字は、四角い枠で囲います。
住所や担当者名などの宛名と混同されないよう、パッと見ても分かる視認性の高さが重要です。
書類に合わせて黒、青、赤のペンを使う
黒、青、赤のペンで記入するのが一般的です。
ただし、お金に関する書類である「領収書」「請求書」については、経費赤字のイメージが強い赤を避け、黒か青を選択するのが無難です。
また、「簡易書留」「速達」など、日本郵便が赤字で記すことの多い郵送オプションと混同されないようにすることも重要です。
まとめ
郵送する書類の内容に合わせて「〇〇在中」と記したり、郵送方法を変えたりすることは、もはやビジネスマンとして最低限必要なマナーになりつつあります。
万が一重要書類の発送に適さない方法で送ってしまった場合、ビジネスマナーに欠ける会社だと思われ、今後の信頼関係にも影響を及ぼします。
記入する意味や郵送追跡をつける意義についてしっかり理解した上で、双方にとって快適なやり取りを心掛けていきましょう。