社会人として、他社や他人に宛てて封筒を発送する場合の「宛名の敬称」は押さえているでしょう。しかし、いざ「自社宛てに封筒を発送する場合の宛名の敬称」となると、悩んでしまうのではないでしょうか?
もし、自社宛ての封筒で敬称を間違えてしまうと、社内で話が広がってしまい、恥かしい思いをしてしまうことになるでしょう。
そうならないように、自社宛ての封筒の宛名につける敬称の正しい使い方について解説します。
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1.「自社に封筒を郵送する」って、どんな場面?
そもそも「自社宛てに封筒を郵送する」というのが、どういった場面が想定されるかについて簡単に解説します。
本社⇔支社間の郵送
よくあるケースの1つ目は「本社と支社の間で封筒をやり取りする場合」ではないでしょうか?
一般的に、社内での連絡にはメールや社内SNS、チャットツールなどのネットワークを介した文章媒体を利用するか、急ぎの場合は電話を使うことが多いでしょう。
しかし、何らかの書類をやり取りしなければならない、それが電子媒体ではやり取りできない場合には、封筒を使って書類を郵送するという方法が利用されます。
社内で封筒をやり取りするとなると、会社によっては自社内で郵送ネットワークを構築している場合もありますが、物流などの都合上、一般郵便を利用するケースもあるでしょう。
いずれにしても、封筒には宛名を記載しなければならず、正しく宛名を記載していなければ適切な相手に届きません。
出張先⇒自社への郵送
もう1つ考えられるケースとしては「出張先など、社外から自社宛てに封筒を郵送する場合」です。
例えば出張先の会社でやりとりした書類を、自分で持って帰らずに封筒に入れて郵送するというケースが考えられます。
出張の予定が以降も長く続き、会社に戻るまでに時間がかかる場合だと、書類だけ先に会社に送っておく必要がある場面もあるでしょう。
この場合だと、基本的に一般郵便を用いて封筒を郵送することになります。
経験上、出張先の納入業者と同じ業者を利用している場合だと、ドライバーさんにお願いして自社宛ての納入時に一緒に封筒を持って行ってもらうこともあるかもしれません。
2.自社宛の封筒の敬称の使い方
自社宛てに封筒を送る場合でも宛名を記載する必要がある以上、「御中」「様」などの敬称をつけなければ不自然です。
しかし、他社宛・他人宛とは雰囲気が異なりますので、何か特別な敬称やルールを使うのではないかと疑ってしまう人は少なくありません。
では、自社宛ての封筒に記載するべき敬称とは、どのようなものなのでしょうか?
基本は「御中」「様」を使う
結論から述べてしまいますと、自社宛ての封筒であっても他社宛の封筒であっても、宛名によって敬称を使い分けるという基本的なルールは何も違いません。
つまり、他社宛と同じように敬称をつければ良いのです。
基本的には「御中」または「様」を用いましょう。例えば、
- ○○株式会社 御中
- ○○株式会社 総務部 御中
- ○○株式会社 営業部 △△ 様
といった使い方をすることになるでしょう。
これは、自社宛てであろうとも他社宛であろうとも、宛名に応じた敬称を使い分けていれば何の問題もありません。
「自社宛て=自分の所属している会社・組織に宛てる」から、「御中」や「様」といった敬称は使わないと思われるかもしれません。
実際、電話などの受け答えでは社内の目上の人物であっても「営業課の○○ですね」などと受け答えして「総務部の○○部長」など敬称はつけませんよね。
けれども郵送物の場合はそのルールは適用しません。
電話などの会話の場合、基本的に立場は「話し相手・顧客>社内の人間」ですから、仮に自分よりも目上の人間であっても敬称は使いません。
しかし郵送物の場合は「話し相手」に相当する人物がいませんので、他社・他人宛の郵送物と同じ敬称ルールを使っても問題ありませんし、そうしなければ失礼に当たる可能性も捨てきれません。
返信用封筒には「行」「宛」を使う
念のために押さえておきたいのですが、もし自社宛ての封筒の中に「返信用封筒・返信用はがき」を同封する場合、返信用の封筒・はがきには自分の宛名を書くのが普通です。
このとき、返信用の宛名(自分宛)には「行」または「宛」を使います。
社内でのやり取りの場合でも、一般的な郵送物の敬称ルールと同じく、自分宛の返信用郵送物の宛名(自分名)には「行」または「宛」を使い、間違っても「御中」や「様」などの敬称は使わないように注意しましょう。
出張先から自分宛の封筒には「行」「宛」を使う
場合によっては「出張先から、自社の自分宛てに封筒を郵送する」というケースもあるかもしれません。
例えば出張先でやりとりした大事な書類を、きちんと会社に送っておきたい場合に用いられるでしょう。
この時にも、発送人と受取人が一致しますので、封筒の宛名には「行」または「宛」を使いましょう。
自分宛に「御中」や「様」を使うのは間違いで、社内の誰かに見られたらけっこう恥ずかしいですよ!
3.封筒の宛名についてのおさらい
この記事では「自社宛ての封筒の宛名につける敬称」について解説しましたが、中には「敬称の使い方が一部、自信がない時がある」という悩みを抱えている人もいるでしょう。
今さら聞けない、そんな悩みをお持ちの方のために「間違えやすい敬称ルール」のおさらいを軽くしておきましょう。
「御中」と「様」の使い分けは?
これは問題ないと思うのですが念のため、「御中」と「様」の使い分けについて簡単に解説します。
- 御中:宛名が「会社名」や「部署名」など、個人宛ではない場合に使う
- 様:宛名が「個人名」の場合に使う
「各位」はどう使う?
よく悩みやすい敬称の1つに「各位」があります。
なんとなく「関係者各位」という使い方をするのが多いイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
「各位」は「皆さま方」という意味で用います。
- 各位:宛名が「複数の人」の場合に用いる、例として「関係者各位」「お客様各位」など
二重敬称は間違い!「御中+様」や「役職+様」はNG
これを間違えると恥ずかしい、敬称の使い方の間違い方の1つが「二重敬称」です。
- 二重敬称:宛名の中に複数の敬称を使っている場合、例として「○○株式会社 御中 △△ 様」(「御中」と「様」の二重敬称)
ちなみに、先ほどの「お客様各位」は「様」と「各位」の二重敬称のように思われるかもしれません。
実際、「各位」には「様」の意味も込められているため、一般的には併用することはありませんが、「お客様各位」や「お得意様各位」の場合には併用しても問題ありません。
「殿」はどう使う?
「各位」と同じく使い方がよくわからないと思われがちな敬称に「殿」があります。
これは、基本的に使わないのが身のためです。
- 殿:目上の人から目下の人に使う敬称
「殿」という敬称は「目上の人⇒目下の人」に使う敬称、例えば社長が社内表彰で社内の人間を呼ぶときなどに用いるのは適していますが、社外の人に使うのは絶対にNGです。
よほどの理由がない限り、「様」を使えば問題ないでしょう。
まとめ
基本的に「自社宛てでも他社宛と同じルールを使って敬称をつける」ことを念頭に置いておけば、間違ってしまうことは少ないでしょう。
あとは敬称ごとのルールを覚えておき、基本的に「御中」か「様」かを使い分けることになると思います。
「各位」や「殿」を使う場面では要注意です。
特に社外宛ての封筒に「殿」をつけると、大問題になりかねません。
封筒の宛名につける敬称には日ごろから注意して、不明な点があれば恥ずかしがらずに誰かに確認することをおすすめします。
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