納品書は、商品やサービスを販売した際に、必要となる書類です。
普段の業務の中で、何気なく行っている納品書の発行と郵送ですが、次のような疑問を持ったことはありませんか?
- 三つ折りと四つ折り、納品書の折り方としてどちらが適切?
- 三つ折りの折り目を決めるのが難しい。何かコツはないの?
- 印刷面は、内側と外側どちらにするべき?
- 納品書を封筒に入れる際の向きは?
- そもそも、納品書は折り曲げても失礼にならない?
そんな疑問を解消するため、この記事では「納品書の折り方」について、一つ一つ徹底的に解説していきます。
納品書の基本的なマナーについて
納品書は折り曲げてもいいか
結論からお伝えすると、A4サイズの納品書を取引先に送付する場合、折り曲げても失礼にあたりません。
受け取る側から「折らずに送ってほしい」などの指定がない限り、封筒に入る大きさに折り曲げたものを郵送します。
では、折り方や、折り目の数にきまりはあるのでしょうか。
次の項では、納品書の適切な折り方について説明します。
三つ折りと四つ折り、どちらが適切か
納品書の折り方は、郵送時に使用する「封筒のサイズ」によって異なります。
「長形3号(120 mm × 235 mm)」の封筒を使用する場合、A4用紙の三つ折りがサイズとして最も適切です。三つ折りの納品書を封筒に入れたとき、封筒内の余裕は長辺側が約25 mm、短辺側が約20 mmとなります。「長形3号」に四つ折りの納品書を入れてしまうと、すき間が空きすぎるため不適切です。
「長形40号(90 mm×225 mm)」の封筒は、A4用紙の四つ折りがちょうど入るサイズです。四つ折りの納品書を封筒に入れたとき、封筒内の余裕は長辺側が約15 mm、短編側が約15 mmとなります。
ビジネスにおいて文書を郵送する際、最も一般的に使用される封筒が「長形3号」です。一方「長形40号」は、どちらかといえば、お札や便せんを入れる用途に用いられます。納品書の郵送に使われるケースはほとんどありません。そのため、納品書の折り方は、「長形3号」のサイズに合う、三つ折りが主流といえます。
印刷面は外側と内側、どちらに折るべきか
納品書には、商品の価格や詳細情報などが記載されています。
封筒の外側から、書かれた内容が透けて見えないように、文字が印刷された面を内側に折りましょう。
ただし、透明フィルムの窓がついた封筒を使用する場合は例外です。送り先の会社名や住所が窓から見える必要があるため、印刷面を外側に向けて折ります。
折り方の方法と種類については、次の章でくわしく説明します。
その他のマナーと注意点
納品書を折る際、受け取る相手の氏名や会社名に折り目をつけることは、失礼にあたります。氏名と会社名の部分は、避けて折るように心がけましょう。
また、自社の押印が必要な場合も、印影と折り目が重ならないよう、注意が必要です。
納品書の折り方
納品書の折り方は、三つ折りの場合が二種類、四つ折りの場合が一種類です。使用する封筒により、折り方が変わりますので、それぞれ順番に説明していきます。
巻き三つ折り
A4サイズの納品書を、印刷面が内側に来るように三つ折りする方法です。
「長形3号」の封筒を使用する場合、最も一般的な折り方です。
- 三分割にした納品書の、下側の一面を谷折りする。
- 角を合わせるように、上側も谷折りする。
下側は中巻き面といって、内側に折り込まれるため、紙の厚さを考えて、上側の面よりも2~3 mmほど短い位置で折り曲げます。
外三つ折り(Z折り)
A4サイズの納品書を、三つ折りにして窓付きの封筒に入れる方法です。
透明フィルムの窓から、納品書に記載された住所や、送り先の社名が見える必要があるため、印刷面が外側を向くように折ります。
- 均等に三分割した納品書の、下側を谷折りする。
- 角を合わせるように、上側を山折りにして重ねる。
なお、巻き三つ折りと異なり、下側の面を短く折る必要はありません。
上側、下側ともに均等に三分割で折ります。外三つ折りで折った納品書は、横から見るとアルファベットのZになることから、Z折りともいわれています。
三つ折りのコツ1
三つ折りの方法を2つ紹介しましたが、折り目の位置が一度で決まらず、納品書を折り直してまった経験はありませんか。二重、三重に折り目のついた納品書は、見ためが悪くなりますから、もし折り間違ってしまったときは、印刷しなおすのがマナーです。
とはいえ、忙しい中わざわざ定規を使って折っていては、時間が足りません。
そこで、三つ折りの折り目が簡単に決まるコツを、あわせて紹介します。
- 納品書とは別に、A4サイズの用紙をもう一枚用意する。
- 用意したA4用紙を、納品書の上側に対して横向き、90度になるように重ねる(アルファベットのLを、逆さにした形になるように重ねる)。
- はみ出た納品書の下側部分が、おおよそ三分の一の長さになっている。あてがった用紙に沿って、納品書を折り曲げる。
- 角を合わせるように、上側も折る。
三つ折りのコツ2
別のA4用紙を用意しなくても、きれいに三つ折りにするコツを紹介します。
- 納品書の右上の角を、左側の長辺に重なるよう、軽く三角に折る。(斜めの折り跡が強くつかないように注意してください)
- 右の角と左の長辺が重なっている部分に指をおいたら、一度納品書を開く。
- 指を置いた部分が三分割の目安となるので、下から折り曲げる。
- 角を合わせるように、上側も折る。
四つ折り
納品書の郵送に、長形40号の封筒を使う機会はそれほど多くありませんが、業界によっては使用することがあります。長形40号には三つ折りの納品書が入らないため、折り方は四つ折りです。
参考までに、四つ折りの方法についても説明します。
- 納品書の二分の一、下半分を折り上げる。
- 半分になった納品書を、さらにもう一度、下から上へ谷折りする。
巻き三つ折りの場合と同様、印刷面が内側にくるようにする。
納品書を封筒に入れる際のポイント
きれいに折れた納品書を封筒に入れる際にも、ちょっとしたマナーがあります。
封筒に入れる向きについて
三つ折りの場合も、四つ折りの場合も、封筒への入れ方はどちらも同じです。
1.用意した封筒を裏返しに置く。
2.「納品書」の上部分が、右側にくるよう封筒に入れる。
納品書に関わらず、書類を送る際は「表題の書き出し」を右側にするのが基本のマナーです。
なお、封筒の紙質が薄く、中が透けて見える場合は、白紙の内紙を入れる場合もあります。また、納品書とは別に送り状が必要な場合、納品書の前側に重ねるように入れましょう。
納品書が複数枚の場合
商品の点数や記載事項が多く、一枚の納品書に収まらないことがあります。
納品書が複数枚になった場合は、三つ折り、四つ折り問わず、すべてのページを重ねたまま、まとめて折るようにしましょう。
一枚ごとに折ったほうがきれいに折れますが、受け取った側は一枚一枚開く手間が増えてしまいますから、バラバラに折るのは避けたほうが無難です。
次に、一度に郵送できる納品書の枚数について説明します。
84円切手は「25gまで送付可能」と決まっています。
封筒一枚の重さが5g程度ですから、一度に送ることのできる重さは約20gです。
これは、一般的なコピー用紙であれば4枚~5枚分に相当します。
ただし、複数枚を重ねて折ることを考えると、きれいに角をそろえて折ることができるのは3~4枚が限度です。
5枚以上送る場合は、定形外郵便となりますが、角形2号の封筒を使用しましょう。
A4の納品書を折らずに、そのまま入れることができます。
まとめ
納品書の折り方について、細かいながら様々なマナーがあることを紹介いたしました。
折り方を間違っても大きな失礼にはなりませんが、長年事務のお仕事に携わっている方や年配の方は、手紙のマナーを大事にされていることが多いです。頻繁に送る納品書だからこそ、小さな気づかいの積み重ねが、お客様との良好な関係につながるのではないでしょうか。
この記事が、日常の業務のご参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。